Saturday, November 24, 2012

the comfort women,C. Sarah Soh by Hazama


http://hazama.iza.ne.jp/blog/entry/1036828

2009/05/17 22:32



C. サラ・ソーによるTHE COMFORT WOMENの書評がジャパン・タイムズに掲載されている。評者はテンプル大学日本校のジェフ・キングストン。以下はその一部。

C. Sarah Soh explains how the comfort women system emerged from the nexus of patriarchy, colonialism, capitalism and militarism, placing it in an ongoing continuum of women's subjugation and exploitation. Controversially, she asserts that it is inaccurate to depict the comfort women as sex slaves and the system as a war crime.
C. Sarah Sohは、家父長制、植民地制、資本主義、軍国主義の混合体の中からどのようにして慰安婦制度が誕生したかを、今も続く女性の隷属、女性への搾取の問題に絡めて解説する。
異論も多かろうが、彼女は慰安婦を性奴隷、慰安婦制度を戦争犯罪と描写することは正確でないと言い切る。

Soh's main target is the Korean Council, an umbrella organization of activist groups involved in the redress movement, arguing that it has sensationalized the story, imposing a misleading narrative of victimization while brooking no dissent.(以下略 原文はリンク先で)
ソーの非難の主要な矛先は韓国議会に向けられている。韓国議会は日本に対する賠償問題に絡む活動家団体の庇護者であり、その議会が話をセンセーショナルにし、異議を許さずミスリーディングな「(日帝による)被害の物語」を国民に押しつけた。「日本の軍あるいは警察が、被害者を強制的に愛する両親のもとから引き離したというような話」はスローガンであり、「戦略的な誇張が慰安婦問題へのより深い理解と、その解決へ向けたあらゆる現実的な動きを妨害したとソーは力説する。韓国社会が被害者意識から決別し、韓国社会こそ元慰安婦にトラウマをもたらした共犯であり慰安婦制度自体は犯罪ではなかったという事実を受け入れることが韓国社会の責任であるというのが、彼女の見方である。

Soh accuses the Korean Council of making life difficult for those comfort women who chose to accept compensation from the Japanese government under the auspices of the Asian Women's Fund (AWF).(以下略)
ソーはまた、韓国議会が「アジア女性基金」を通じた日本政府からの償い金を受け取ることを選んだ慰安婦たちに圧力を加えたことを批判する。日本を歴史問題のクビキから解き放つことを認めたくないばかりに、アジア女性基金からの「悔悟の証」を、韓国政府がその分を補填するという形で日本の金を拒否するよう慰安婦たちに圧力を加えたのだ。日本からの金を受け取った慰安婦は精神的な村八分を味わうハメになった。

勇敢にも「被害者」という名のカルトに立ち向かい彼らの責任を訴えたソーが、村八分にされた慰安婦たちと同じような目に遭うのではないかと懸念される。


ソーのような開明派は、主張に多少違いこそあれ、これまでにも韓国(朝鮮)系の論者の中から [1]チラホラ出て来てはいた。

しかし国際社会では依然として「慰安所=日本軍による戦争犯罪」のイメージが常識になっている。それでも英文でこういった研究が増えてくるのはいい傾向だと思う。ただし、自分は山下ヨンエのような「フェミニズムの視点に立った慰安婦論」にも違和感を覚えるし、まだ読んではいないがソーの見解ともたぶん完全には一致しないだろう。

それでも、遠からず「慰安婦制度=日本軍による朝鮮人に対する犯罪」説は衰退して行くだろう。そうなると、これまでコブシを振り回していた人々(とくに日本の学者)の立場はどうなるのだろうと思うが、それは大きなお世話というものか。

さて、この書評を書いたジェフ・キングストン教授はソーの見解に完全に同意しているわけではない。後段の部分には彼の困惑が見て取れる。それについては次回以降。

ところで、アマゾンUSAのこの本のProduct Descriptionの部分には、

the tragedy of the so-called comfort women--mostly Korean women forced into prostitution by the Japanese army--endures as one of the darkest events of World War II.
第二次大戦中の最も暗い出来事のひとつである俗に言われるところの慰安婦(日本軍によって売春を強制された主に朝鮮人からなる女性たち)の悲劇。

という風に紹介されているが・・・ソーさん、いいのか、こういう認識で?


[注1] 山下ヨンエと朴ユハが代表的か?

朝日・ドット・コム 赤澤史朗(評) &魚拓
ナショナリズムの狭間から―「慰安婦」問題へのもう一つの視座 山下英愛(ヨンエ)著

毎日jp 今週の本棚・本と人 &魚拓
和解のために 朴裕河 著

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