java

Friday, October 7, 2011

study with Iljimae 一枝梅 일지매

i have finally watched whole of iljimae episodes. korean drama have a lot of episode,more 50 or 80 too long, then i tried to watch short story, iljimae at first.
its very fun, beautiful pictures, actors, great acting, impressive story.
in historical drama, of cause there are some truly and unreality, but i try to point some of them.









Director : Lee Yong-seok(이용석)

Cast : Lee Jun-ki(이준기)
Park Si-hoo(박시후)
Han Hyo-joo(한효주)
Lee Young-ah(이영아)
Lee Moon-sik(이문식)
Kim Seong-ryeong(김성령)

仁祖
Injo of Joseon (1595 - 1649, r. 1623-1649) was the sixteenth king of the Korean Joseon Dynasty. He was the grandson of Seonjo. King Injo was king during both the first and second Manchu invasions, which ended with the surrender of Joseon to the Qing Dynasty in 1636.

king Injo kneels on the ground emperor Huang Taiji  for apology (copper) 
三跪九叩頭の礼(さんききゅうこうとうのれい、英語:three kneelings and nine kowtows)
大清皇帝功徳碑 대청황제공덕비 Samjeondo Monument
ホンタイジに土下座する仁祖(銅版)

http://www.dramabeans.com/2008/05/iljimae-sbs/



 iljimae/ Yong-ee /Lee Gym lived happy life as ryanban's(noble class) son in his childhood.
he met Byeon-Sik's daughter, Eun Chae.  Byeon-Sik is officer of soul city.
look the beautiful color!! ryanban class wore colored cloths imported from China. whole of the people wore white cloths actually. child actors are very adorable, be enchanted with their performance.

Gym's father, Lee Won Ho is brother of King Injo. once his groop planed coup, and changed king to Injo. then Injo afraid Won ho, accuse him falsely and kill him.


Lee Won Ho teachs Gym the swordmenships, and korean royal court martial arts.
father is very cool,but there have been not existed royal court martial arts in Korea.

http://www.kuksoolwon.com/site/history
Royal court martial arts (KoongJoong MuSool)
"
Kings, royal families and government officials had private armies and bodyguards who practiced a type of martial art known as KoongJoong MuSool.

These royal court martial arts gave rise to esoteric techniques of easily portable weapons such as short swords and folding fans. Also developed were unique weaponless techniques of joint-locking and pressure point striking.

Existing records in Japan suggest that many KoongJoong MuSool techniques found their way there and gave birth to the Japanese art of Jujitsu.
King JinHung of the Kingdom of Silla encouraged the HwaRang warriors to practice KoongJoong MuSool in addition to their other martial arts training. But later during the Koryo Dynasty and Chosun Dynasty, Korean kings enforced policies to discourage the practice of martial arts and to forbid the possession of weapons, in order to protect themselves from military rebellion or any other political uprising.

However, Korean martial arts have continued to develop both within and without the royal courts, thanks to the efforts of many dedicated Korean martial artists to practice, record, and compile these precious martial art techniques."

(mochi thinking)

korean has hardly historical sources, then they make up their history misguidedly. they have some reason,why they always bring out about Japan???
Korean think that korean are more excellent than japanese...its ok...ok..

anyway back to Iljimae

http://greatlove.ptpt.in/2011/07/-src-htt-3.html
http://unkar.org/r/geo/1015881746
オンドルを使う朝鮮と、中国の東北地区では靴を脱ぐ。
オンドル(온돌、溫突、温突)とは朝鮮半島や中国の華北北部・東北部で普及している床下暖房である。


なぜ日本は靴を脱ぐ文化で欧米は靴なのか?
1 :真実君:02/03/12 06:22 ID:Bapi6Iyi
疑問です。
理由があると思いますが。

まあ、日本も昼間のオフィスは靴だし(江戸時代は奉行所とか靴脱いで畳で仕事ですよね、茶屋とかは土足だけど)家帰っても机と椅子にベッドの生活。
大型家具に囲まれて、素足(靴下状態ふくむ)では心許ないからスリッパという室内靴つかってるけどね。
現在、土足禁止なのは単に心理的抵抗だけのような気もするが。
汚いって言っても、床にじかには座らないんだから。

で、現在状況はともかく日本はなんで靴脱ぐ文化な訳?
竪穴式住居の時は、そんな事ないよね。

2 :詳しくは本を読め:02/03/12 07:17 ID:uDOuFDO7
欧米と日本という対比のしかたが厨房だな……。
中国も含め、ユーラシアの大半は土間型室内だよ。
東南アジアと日本・朝鮮は、高床式住居の伝統があるので、この地域では靴を脱いで室内に入る。

吉田桂二『検証 日本人の住まいはどこから来たか』
という比較建築史の本がその辺を考察してあるのでお勧め。


More Korean swordmanship from Joseon period

朝鮮王朝実録 1594-9-1 “堂下武臣等, 釰槍被抄, 今已數月, 無一人留心肄習” Some lower military officers were chosen to learn sword /spear method, it has been a few months but none of them tried to practice seriously. 兵曹から王への意見具申。 「堂下の武臣たちが槍や剣術で選ばれて、すでに数か月たったが、誰も真面目に練習しようとしない」










舞台となるのは17世紀初頭、朝鮮第16代王・仁祖(在位1623~1649年)統治の頃で、日本でいうと江戸幕府第3大将軍・徳川家光の時代。
前王・光海君(クァンヘグン)は、大陸の大国・明(のちに清に乗っ取られます)からの圧力と倭国(日本)の侵略(秀吉の進撃ですね)で疲弊した国を建て直すため、外とは闘わない「中立」の対外政策を取っておりました。光海君は兄や義理の弟を殺した暴君という評価がありましたが、近年、その外交政策を評価する動きがあります。ちなみに、そんな流れの中で制作されたのが、ドラマ「王と女」です。光海君をチソンが演じ、彼の悲しき運命を描いています。
で、この「イルジメ」においては、その光海君をクーデターで倒して王位についた仁祖について描かれています。
実はこの仁祖、これまで映像化されたことがなかったんです。「イルジメ」によって、初めてスポットを浴びた歴史的人物です。それくらい、地味な(苦笑)存在だったんですねぇ。大きな功罪もなかったのでしょう。でも、そこは歴史ドキュメンタリーの構成作家を長く務めてきたチェ・ラン脚本家のキャリアがモノを言いました。彼女は、あえてこの仁祖の時代を背景に選びました。仁祖はちょっと狂気的な傾向があったことが理由のようです。

で、順に説明しましょう。
中立を保ち、明とも倭国とも仲良くやっていた光海君の政策を「生ぬるい!」と思う政党がありました。いってみれば、当時の野党ですね。光海君と与党・北人-大北派を批判し、クーデターで追いやってしまったのが、光海君の甥である仁祖と彼を支持する西人派、つまり、イ・ウォノら「天友会」の面々です。
大陸では明にかわって清(後金)が勢力を拡大していましたが、仁祖は清に対して抵抗姿勢をとったため、清のお怒りを買い、2度に渡って侵略を受けることになってしまいます。この2度目の戦(丙子胡乱)で朝鮮は惨敗し、労働力として多くの男子が清に連行されますが、その1人がデシクの父親だったわけです(デシクは戦争遺児、酒屋の女将シムドクは戦で夫の子供を失ったという設定)。
ちなみに、このとき人質にとられた2人の王子については、後半のエピソードに登場しますね。仁祖は実子である一番目の王子を親清派と疑い、毒殺してしまうのです。この世子殺しについては、ドラマ「必殺!最強チル」でもキーとなる事件として登場します。

なにせ、仁祖はクーデターで王位に就いた人。自分もいつか同じように誰かに騙され、倒されるのではないかと常に疑心を抱き、多くの人間を逆賊として処刑したことでも知られています。『王の男』の燕山君や前述の光海君が強烈すぎてあまり話題にはならないのですが、仁祖も悪評高き王とされているのです。
ウォノら天友会の面々については、フィクションになるようですが、なかなか怖ろしい人だったんですねぇ。
ここで面白いのは、仁祖がクーデターで倒したのが伯父の光海君で、仁祖はだからこそ甥であるギョムを怖れたという点です。自分が犯した罪は、巡り巡って帰ってくると怖れていたんでしょうね。だから、イルジメがギョムと知った時の仁祖の衝撃は大きかったわけです。

そうそう、「天友会」と言う名前にも大きな意味がありますね。「天」=「太陽」=絶対的存在です。サチョンが仁祖を「天」と呼び、盲目の占い師が予言した新たな「太陽」=「天」の誕生に仁祖が怯えたように、当時、「天」という言葉には絶対的な意味があった。日本でも、かつて「天」皇がそうでしたね。なので、「天」という言葉には、我々が考えている以上に、深く重い意味があるのでしょう。

そして、韓国人にとって、「天」はイコール「父」でもあります。
最終回、仁祖と向きあったイルジメ(ヨン)は、2人の父について語ります。
「僕には2人の父がいる。1人は。世の道理を教えてくれた人、1人は僕のために犠牲になった人。でも、あなたはどんな父親だ? 子供にとって、そして民にとって」
「天」は、民にとって「父」でもあるのです。
そう、「イルジメ」では、様々な父性が描かれている。セドルやコンガルといった養父の父性、コンガルやサチョンがヨンとシフに見せた師弟関係における父性、仁祖やイルジメといった民の精神的支柱としての父性、ピョン・シクや猟師のチャン父子のようなリアルな父性…。そういう様々な観点が同時並行して描かれながら、決して混乱することなく見られるのも、脚本力かもしれません。役者の演技も見事だしなぁ。

そして、シワンとヨンが“マブダチ”になるきっかけとなった、賭博場でのシーンも、この9話に登場します!賭博で負けが込み、ピンチに陥ったシワンをイカサマで救ったヨン!そんなヨンをすっかり気に入ってしまうおバカなシワンくん。この2人、この後の私のお気に入りコンビになっていきます。この一連のシワンとヨンのやり取りがまたいいのです。

話はちょっと横にそれますが、この回、農民に偽装して戸曹判書(財務長官)の財産を盗もうとしたヨン(イルジメ)が役人たちに捜査されそうになった時に畑の上に寝転がって理不尽を訴える場面や、戸曹判書の賄賂事件について再捜査を要請するため、ピョンシクが宮廷内でゴザを敷いて座り込みで王に訴える場面が出てきます。韓国ドラマ(特に時代劇)をよく見ている人ならお分かりかと思いますが、これは朝鮮方式の相手を負かすためのやり方ですね。「10回叩いて、倒れない木はない」ということわざが朝鮮にはあるのですが、とにかく捨て身で相手に向かっていけば、相手は必ず折れる、というのが彼らの考えのようです。現代劇でも、「言うことをきいてくれないなら、死んでやる!」みたいなシーンはよく目にします。はじめは違和感がありましたが、それが日常茶飯なのですね。


そして、韓国時代劇ではおなじみの、「捕盗庁(ポドチョン)」です。
これは、犯罪者を取り締まる、今の警察組織です。「チェオクの剣」の主要舞台がまさにこの「捕盗庁」。江戸時代の奉行所に北町奉行と南町奉行があったように、捕盗庁にも左捕盗庁と右捕盗庁があり、それぞれの管轄を取り締まっていました。
以前の記事、「両班社会とはなんぞや」でも書きましたが、当時、文官と武官では武官の方が下に見られていました。知的労働者ではなく、肉体労働者、ガテン系だからです。で、捕盗庁の役人は、ガテン系の武官。

ヨンが公募を受けると言っていた「捕卒(ポジョル)」が、まさに捕盗庁の末端職員で、要は警官です。盗賊を捕まえる!と意気込むヨンですが、セドルが言うように科挙に受かって文官になるより、世間的にはランクは低いわけです。だから、セドルは相変わらず「科挙科挙」と言うんですねぇ。

ちなみに、「義禁府」と「捕盗庁」との違いが、私にははじめ、分かりにくく感じられました。どちらも警察じゃん?とか思えて、いろいろ調べてみたのですが、やはり似ているようで、違う組織・機能のようですね。「義禁府」の方が扱う罪が重く、「捕盗庁」の方が軽いイメージ。犯罪に重い・軽いも、大きい・小さいもないんですが…。例えば、絵を盗んだ罪を着せられたテシクは本来なら「捕盗庁」の領分でしたが、戸曹判書(財務省長官)の所蔵品だったので「義禁府」行きとなりました。春画販売の罪で牢に入れられたヨンと姦通罪で捕まったヨンの姉ヨニは「捕盗庁」管轄でしょうが、ヨニは謀反者ウォノの娘であることが知れたため、「義禁府」送りになるのです。


韓国ドラマの定番である「記憶喪失」

正しくは隠れた王族イ・ウォノの息子イ・ギョム。つまり両班で、かなり高貴な家の出なんですねぇ。そのギョム少年は、父が王(仁祖)に対して謀反を企てたという罪により暗殺される現場を目撃してしまいます。そのため家族は離散、王に命を狙われる身となったギョム少年は、逃走する中、様々な心的苦しみから記憶喪失になるのです。わずか8歳の子供が経験するには、あまりに衝撃の大きい出来事だったわけ。で、元コソ泥のセドルにより助けられたギョムは、ヨン(龍)と名づけられ、セドルとその妻タンの息子として育つのである。そして13年ののち、南門市場を庭に成長したヨンは、ギョムが生きているという情報を得た王の命令によってその手下たちに追われる中、記憶を取り戻すことになるのです。

では、「官職用語解説」、今日も続きを行かせて頂きます。

ますは、ピョン・シクが義禁府の長官と兼職していた「兵曹(ピョンジョ)判書(パンソ)」について。
これを説明する前に、当時の中央省庁の構成を解説しておきましょう。

朝鮮王朝において、行政は「吏・戸・礼・兵・刑・工」の「六曹」が担当、長官は判書と呼ばれていました。つまり、六曹は現在で言う中央省庁ですね。「曹」=「省・庁」と考えて頂いていいかと思います。なので、それぞれの長官は、内閣の大臣、閣僚なわけです。そう、あのピョン・シクも閣僚(笑)。

で、ピョン・シクが長官を務める兵曹は、軍事を担当し、今でいう防衛庁といったあたり。国防長官ですね。ちなみに、第4話には、シフが意地悪なピョン・シクの妻から「兵曹参判(チャムパン)の息子が格闘賭博に出たと町中の噂よ」と嫌味を言われる場面があります。「参判」とは「副長官」のことを言うので、この時点ではピョン・シクは「国防副長官」だったようです。それが、第5話では長官に出世。無能なのにねぇ(苦笑)

そして、イルジメの最初のターゲットとなったイ・ミョン大監(陶淵明画の所持者)は「戸曹(ホジョ)判書」です。「戸曹」は国家財政を担当する、いわば財務省。財務省長官、財務大臣です。すげぇ!テシクはそんなお偉い人が所持する貴重な絵を持っていたものだから、罪が余計に重くなったんですね。

第9話では、戸曹判書の荷車に八百屋のリンゴ箱があったことで賄賂問題が発覚します。ここで、「しきたりなんです。商人は皆ワイロを渡してますよ」というセリフも出てくるのですが、戸曹判書(財務大臣)は租税や貢納の割り当て、出納の監督なども行っており、イ・ミョン大監は役職を利用して賄賂を受け、私財を肥やしていたというわけ。ウンチェがイ大監のところに盗人が入ったと父のピョン・シクから聞いて痛快に思うシーンがありますが、それくらいに高級官吏宅だったからです。我々も「財務省長官の家に泥棒が入ったんだって!」と聞けば、何となく愉快になりますよね。しかも、ワイロで悪評高い閣僚ですもん。ざまぁみろって感じ(笑)。
イルジメが痛快なのはこういうところにあります。そりゃ「庶民の英雄」と称されるわけです。

ついでに、「吏・戸・礼・兵・刑・工」すべて、紹介しておきましょう。

「吏曹(イジョ)」 人事担当。
今でいう「人事院」です。科挙合格者から優秀な人物を選抜し、官職に任命したり、人事管理や罷免を行うところ。確か、「快刀ホン・ギルドン」で、ギルドンの実父ホン・ソヒョンが吏曹判書でしたね。ギルドンも閣僚の息子だったわけです(庶子なので、息子として認められませんでしたが)。

「戸曹」は上記に説明しました。財務省です。

「礼曹(イェジョ)」 王室業務や儀礼・祭祀・教育を担当。
これは「宮内庁」プラス「文部科学省」ですかね。科挙を施行したり、国家の祭祀を仕切ったり、儒教教育を民衆に強化したりする任務を負っていました。
ちなみに、科挙は3年に一度行われる国家公務員試験。競争率は凄かったようです。科挙浪人も多かったようですから、東大に入るとか、司法試験に合格するとか、それくらいのレベルのものと察せられますね。

「兵曹」はピョン・シクのところ。防衛庁です。

「刑曹(ヒョンジョ)」 法律・刑罰を担当。
今の「法務省」プラス「裁判所」です。刑法を施行、管理したり、裁判所の機能やその任務を監督していたりしました。
義禁府は「公安警察」プラス「特別裁判所」と書きましたが、彼らの場合は自分のところで捕まえ取り調べた罪人たちの裁判を行うレベル。「刑曹」のほうが、より現在の裁判所に近いと考えられますね。

「工曹(コンジョ)」  公共事業、その他の社会事業の担当。
こちらは「国土交通省」プラス「経済農産省」ですかねぇ。宮廷や公共建造物、交通道路などを作ったり維持管理したり。それから、商工業に関する業務全般を行っていました。

ちなみに、ヒマ組は、兵曹判書(ピョン・シク)、礼曹判書のほか、計4人の判書に仕えていたようです。お抱えってやつですね。ヒボンがヨンに言うセリフに、「官吏の懐を肥やすのが俺らの仕事だ。税を取り立てたり、従わないヤツをおどしたり。権力者はみな、ヒマ組を頼りにしてる」というものがあります。暴力組織、裏組織と政治家の癒着。今も昔も、朝鮮も日本も変わりませんねぇ。もちろん、現代社会の問題をこんな形で映し出し、さりげなく批判しているわけでもありますが。

やばい!書いていて、面白くなってきた(笑) でも、長いっ!長すぎる!

なので、今日はここまでで、「官職用語解説」はさらに次回に続きます(苦笑)
あ、もうひとつ…書きたいけど、どうしよう。う~ん、くだらない話なので、次回に回します…

アンニ・ヨン!

では、「官職用語解説」、今日も続きを行かせて頂きます。

ますは、ピョン・シクが義禁府の長官と兼職していた「兵曹(ピョンジョ)判書(パンソ)」について。
これを説明する前に、当時の中央省庁の構成を解説しておきましょう。

朝鮮王朝において、行政は「吏・戸・礼・兵・刑・工」の「六曹」が担当、長官は判書と呼ばれていました。つまり、六曹は現在で言う中央省庁ですね。「曹」=「省・庁」と考えて頂いていいかと思います。なので、それぞれの長官は、内閣の大臣、閣僚なわけです。そう、あのピョン・シクも閣僚(笑)。

で、ピョン・シクが長官を務める兵曹は、軍事を担当し、今でいう防衛庁といったあたり。国防長官ですね。ちなみに、第4話には、シフが意地悪なピョン・シクの妻から「兵曹参判(チャムパン)の息子が格闘賭博に出たと町中の噂よ」と嫌味を言われる場面があります。「参判」とは「副長官」のことを言うので、この時点ではピョン・シクは「国防副長官」だったようです。それが、第5話では長官に出世。無能なのにねぇ(苦笑)

そして、イルジメの最初のターゲットとなったイ・ミョン大監(陶淵明画の所持者)は「戸曹(ホジョ)判書」です。「戸曹」は国家財政を担当する、いわば財務省。財務省長官、財務大臣です。すげぇ!テシクはそんなお偉い人が所持する貴重な絵を持っていたものだから、罪が余計に重くなったんですね。

第9話では、戸曹判書の荷車に八百屋のリンゴ箱があったことで賄賂問題が発覚します。ここで、「しきたりなんです。商人は皆ワイロを渡してますよ」というセリフも出てくるのですが、戸曹判書(財務大臣)は租税や貢納の割り当て、出納の監督なども行っており、イ・ミョン大監は役職を利用して賄賂を受け、私財を肥やしていたというわけ。ウンチェがイ大監のところに盗人が入ったと父のピョン・シクから聞いて痛快に思うシーンがありますが、それくらいに高級官吏宅だったからです。我々も「財務省長官の家に泥棒が入ったんだって!」と聞けば、何となく愉快になりますよね。しかも、ワイロで悪評高い閣僚ですもん。ざまぁみろって感じ(笑)。
イルジメが痛快なのはこういうところにあります。そりゃ「庶民の英雄」と称されるわけです。

ついでに、「吏・戸・礼・兵・刑・工」すべて、紹介しておきましょう。

「吏曹(イジョ)」 人事担当。
今でいう「人事院」です。科挙合格者から優秀な人物を選抜し、官職に任命したり、人事管理や罷免を行うところ。確か、「快刀ホン・ギルドン」で、ギルドンの実父ホン・ソヒョンが吏曹判書でしたね。ギルドンも閣僚の息子だったわけです(庶子なので、息子として認められませんでしたが)。

「戸曹」は上記に説明しました。財務省です。

「礼曹(イェジョ)」 王室業務や儀礼・祭祀・教育を担当。
これは「宮内庁」プラス「文部科学省」ですかね。科挙を施行したり、国家の祭祀を仕切ったり、儒教教育を民衆に強化したりする任務を負っていました。
ちなみに、科挙は3年に一度行われる国家公務員試験。競争率は凄かったようです。科挙浪人も多かったようですから、東大に入るとか、司法試験に合格するとか、それくらいのレベルのものと察せられますね。

「兵曹」はピョン・シクのところ。防衛庁です。

「刑曹(ヒョンジョ)」 法律・刑罰を担当。
今の「法務省」プラス「裁判所」です。刑法を施行、管理したり、裁判所の機能やその任務を監督していたりしました。
義禁府は「公安警察」プラス「特別裁判所」と書きましたが、彼らの場合は自分のところで捕まえ取り調べた罪人たちの裁判を行うレベル。「刑曹」のほうが、より現在の裁判所に近いと考えられますね。

「工曹(コンジョ)」  公共事業、その他の社会事業の担当。
こちらは「国土交通省」プラス「経済農産省」ですかねぇ。宮廷や公共建造物、交通道路などを作ったり維持管理したり。それから、商工業に関する業務全般を行っていました。

ちなみに、ヒマ組は、兵曹判書(ピョン・シク)、礼曹判書のほか、計4人の判書に仕えていたようです。お抱えってやつですね。ヒボンがヨンに言うセリフに、「官吏の懐を肥やすのが俺らの仕事だ。税を取り立てたり、従わないヤツをおどしたり。権力者はみな、ヒマ組を頼りにしてる」というものがあります。暴力組織、裏組織と政治家の癒着。今も昔も、朝鮮も日本も変わりませんねぇ。もちろん、現代社会の問題をこんな形で映し出し、さりげなく批判しているわけでもありますが。

やばい!書いていて、面白くなってきた(笑) でも、長いっ!長すぎる!

なので、今日はここまでで、「官職用語解説」はさらに次回に続きます(苦笑)
あ、もうひとつ…書きたいけど、どうしよう。う~ん、くだらない話なので、次回に回します…

アンニ・ヨン!

というわけで、今日は「イルジメ」の時代背景の豆知識として、「西人(ソイン)」のお話を。

第1話のシム・ギウォンとイ・ウォノの会話の中には、こんな言葉が出てくる。
「イ・グァルの反乱後、毎年のように謀反を起こす臣下が現れる」
「西人派内の政局争いが原因です」

この時代の内政は政局争いによって混乱していたということだが、ここに出てくる「西人」は、政党のようなものと考えていただければいい。前王・光海君(クァンヘグン)をクーデターによって倒し仁祖を王位に就かせたのが、そのころ野党だった「西人」派の人々。光海君の時代は「北人」派が政権を握っていたのだが、王が仁祖に変わって以降は「西人」派が政権を握り、そこに「南人」派が共存するという形になっていく。


仁祖治世下の「西人」派は、今の日本でいえば自民党みたいなもので、政権政党である。実際、ウォノとともに仁祖を王位に就けた功臣シム・ギウォンの官職は「左議政」。現在で言う副首相のクラスで、まさに与党! で、その与党の中枢にいるシム・ギウォンは派閥内の権力争いを憂い、かつての仲間であるウォノに愚痴ってるわけ。ウォノもシム・ギウォンも「西人」仲間だが、2人に奸臣(悪巧みをする臣下のこと・苦笑)呼ばわりされているピョン・シクも、一応「西人」派=与党である。

先に、「西人」=政党のようなものと書いたが、元々は、朱子学(儒教の学問体系のひとつ)における学閥だった。学問的な派閥が存在し(福沢諭吉学派みたいな)、その派閥が政治を動かすようになり(両班=知識人=支配階級だったからね)、党派に分かれて野党になったり与党になったり、同じ派閥内でも考え方の違いが生じて分裂したり、政権争いを繰り広げたりしたわけ。今とそう変わらないのである。

政権を握った彼らの一部は、権力と富を得て政治理念を見失い、陰謀や汚い取引を行う不正政治家になりさがっていた時代。イルジメは、政治献金疑惑を「記憶にございません」としらを切るような偉い人たちの屋敷に忍び込み、ため込んだ汚い財産を頂戴しちゃうのである。一般庶民としては痛快なことこの上ない。日頃から政治家を非難しているうちの父親なんぞは、彼の行いを褒めちぎり論説を振る舞うに違いない。イルジメは婦女子のみならず、いやむしろ、あくせく働くサラリーマンから高い支持を仰いだに違いない。

が、もちろん、政治家みなが悪いわけではなく、ウォノの死の真相を明かそうとするシム・ギウォンをはじめ、国をよくしていこうと尽力する人々も多かったはず。派閥内では、政治を良い方向へ持っていこうとする人々と、自分の権力と富のことばかり考え王に媚びを売る人々とで、牽制、対立しあっていたのだろう。王の力が弱いばっかりに内政は混乱し、結果として悪政につながり、庶民の生活を苦しめていたのである。

そんなことを頭に入れておくと、ウォノの死を取り巻く物語の深さも分かって頂けるのではないだろうか。シム・ギウォンやその甥クォン・ドゥヒョンなど、ヨンに父の死の真相を伝えようとしていた人々の物語は、分かりにくい部分があるので流して見てしまいがちだが、彼らが政治の中枢にいたことを考えると、ヨンに降りかかった運命の重さがよく分かってくる。

だって、一介の庶民であるヨンに、一国の副首相が会おうとするわけですよ!ヨンだって「何で俺と?」と思いますよねぇ。副首相が直々に会いたいっていうくらいだから「イ・ギョム」がどんなに重く考えられている人物かは、頭のいいヨンなら察したはず。で、「ギョム」であるらしいヨンに会おうとしたために、副首相は捕まり、殺されちゃうわけですよ!ヨンだってビックリですわ。ギョムって何者?ってな気分でしょう。

そう考えると、ギョム=ヨンは政治的な面で(つまり国家レベルで)鍵になる人物なわけです。(これは、後半明らかになります)
ちなみに、ウォノが隠れた王族であることは周知の通りですが、ウォノを殺した人物はその兄で、ヨン=ギョムの叔父に当たります。仁祖がクーデターで倒した前王は仁祖の叔父でした。甥っこさえも権力を前にすれば裏切る行為に出るわけです。ウォノを殺した人物が、甥っ子ギョムを怖れたのも当然と言えば当然ですね。

なので、ヨン=ギョム騒動に関わる人々については、よ~く気を付けて見て頂きたい。
ヨン=ギョムは政界の陰謀の渦中にいるのですから。例えばそれは、夜な夜な繰り広げられている麻生さんと自民党幹部の密談の席でヨンについての対策を話し合われているとか、小泉元首相が側近に命じてヨンの身辺調査を内々にさせているとか、そういうことです。南門市場で春画を売りながら暮らしていても(笑)、実はとんでもなく重い運命を背負っておるわけです、ヨンという青年は。そのあたりを意識して見てみると、また違った感じ方ができるかもしれません。


教えてヨン!両班社会って、どういうこと?その1
テーマ:イルジメ裏知識
皆さん、アンニ・ヨン・ハセヨン。

さぁ、今回は予告通り「両班社会ってどういうこと?」
さ、本題の「両班社会って?」に参りませう。
実は今回見直してみて、第1話のイ・ウォノのセリフを筆頭に、皆がやたらと「両班とは…」と話しているのだ。とにかく「両班」についてのセリフが多い。つまり「イルジメ」というドラマを語るには、「両班」は外せないのだ。で、「両班社会」について少しでもわかっておくと、ヨンの置かれた状況がよりリアルに伝わるのではないかと。
少しでも韓国に興味のある人なら、「両班(ヤンバン)」という言葉や、いまだにそれが韓国社会に大きな影響を及ぼしていることはご存知のことと思う。一言で説明するのは、これまた難しいのだが、もともとは高麗時代における朝廷での官僚の席を表す言葉だった。国王に謁見するとき、文官は東側に、武官は西側に整列し、そのためそれぞれ文官=東班、武官=西班と呼んだそう。で、2つ合わせて「両班」というわけ。文官、武官ともに官僚であり、高麗~朝鮮王朝時代においては支配階級である。セドル目線だと「偉い人たち」なわけだ。
が、「両班らしくあるべき」というウォノのセリフからすると、「偉い」ばかりでもない気がする。両班=「高貴な人」というセリフもある。我々、日本人には「両班」という言葉が持つニュアンスをうまく理解しにくい。でも、逆に言うと、日本人独特の「武士道」は他国の人たちには理解しにくいものだ。そう!「両班」に対する韓国の人たちの思いは、どこか日本人の「武士」に似たものがある。もちろんイコールではないが、その国民性を表しているというか。
「武士は食わねど高楊枝」とか「花は桜木、人は武士」という言葉があるが、日本人には「武士」のような生き様に憧れがあったり、逆にどこか古くさいもの、カタイもの、といったイメージを抱くこともある。で、おそらく韓国の人たちにとって、それが「両班」なのだ。
ものの本にはこうあった。「韓国の儒教の思想の源は、両班の生き方の中に見出されるといわれる。それはつまり、高尚な学問にいそしみ、体面と秩序を重んじ、金銭など日常の雑事に煩わされることなく生きる、ということである」
平たく言うと、韓国社会は儒教社会である。それは両班の生き方(あるいは、それに対する憧れ)が土台にあって、知識人(ある意味、哲学者)として生きることを最善としている、という感じか。ちなみに、ウォノのセリフにあるように「両班らしく生きる」「両班らしく立ち振る舞う」と言う場合、「紳士的」といった意味を持つらしい。日本人の我々には、時に「武士らしい」が「紳士的」なことだったりするものだが、韓国の人にとっての「ジェントル」な行為は「両班らしい」ということなのだ。で、ギョム(ヨン)もチャドル(シフ)もこの両班の血を引いているのである。が、一方で、シワンやピョン・シクも両班だったりするわけで、理想と現実は違うというか、「両班にもいろいろ」というか。
すみません。ここまででかなり長いです。なので、続きは次回に…。
中途半端ですが、一旦アンニ・ヨン!

2009-05-14 00:16:20
教えてヨン!両班社会ってどういうこと?その2
テーマ:イルジメ裏知識
皆さん、アンニ・ヨン。


「イルジメ」裏知識、その名も「教えてヨン!」のコーナー、今日は前回の整理からまいりましょう。テーマは「両班社会ってどんなこと?」。で、「両班」、あるいは「両班のような生き方」は、韓国の人たちにとって、憧れであり理想であり、それは言うなれば、日本人にとっての「武士」「武士道」に対する思いに似ている。ということを書きました。例えば、日本の男性諸氏は武士のような生き方に憧れ(だから宮本武蔵を描いた『バカボンド』が売れるわけで)、女子はそういう男達に惚れちゃうものですが、韓国の場合、「武士」という言葉が「両班」に変わるわけですね。まぁ、非常にざっくりした表現ですが。で、これをさらに詳しく今日は調べていきたいなと。


その前に…第1&2話で「両班」に関するセリフをざっくり抜き出してみたので、そこから始めましょう。
まず市場で幼いポンスンを「くさい」と突き飛ばしたギョム少年(のちのヨン)、ポンスン兄が言った言葉、「おい、両班だからって何だ?」
そして生意気な少年シワン(苦笑)が市場でぶつかったチャドル(のちのシフ)に対して抱く感想、「卑しい家の子のくせに」
セドルは輸入品の砂糖をなめながら、「両班様は幸せだね、こんなもの毎日食べて」とつぶやき、
イ・ウォノはチャドルに対し「正しく高貴な人になりなさい」と告げる。
で、これを受けて、「高貴な人になりたい」というチャドルにセドルは「勉強して科挙に受かれば高貴な人になれる。言いかえれば、両班になれるのさ」と話し、
で、ギョムに盗みの罪をあばかれ、チャドルをかばったウォノに対して、おバカなシワンが言うセリフが「あなたのせいで身分秩序が乱れます」…
そんなシワンに対してウォノは「両班らしくふるまってこそ、本当の両班と言える」と諭すのである。まだあるのだが、まぁこれだけでも十分だろう。
両班は両班であることにプライドがあり、両班でない(つまり身分の低い)者は両班に憧れ、また両班をどこかで妬んでいる。
そんな「両班」って何なんだろう?
前回も書いたが、元の意味は高麗時代における朝廷での官僚達の席。文官の席=東班と、武官の席=西班を合わせて両班。それがいつの間にか、「一定以上の代にわたって、科挙への合格者を出した名門一族」「官僚・支配階級層」を指す言葉になったらしい。
ここで断っておきたいのは、わたくし、学者や専門家ではないので、ここで展開する論はかなりざっくりしたものである、ということ。それと、より分かりやすくするために、私流の例えを持ち出しているので、細かい点では「違う!」って言われてしまう部分もあるかもしれない。でもまぁ、そこはあくまで「ドラマを見る上で知っておくと、ちょっといい」くらいの簡単レベル知識、ということで、ご了承頂きたい。明らかに「違う!」という場合は、ご一報くださいまし。
で、話を戻すと、「両班」とは法的に制度化された階級ではなく、社会的な慣習から「なんとなく」「いつのまにか」階層となったものである。武士もそうなのかな? すみません、こちらは調べていません。ちなみに、「なんとなく」「いつのまにか」は私流の表現です。誤解のないように…
なので、両班の概念が、セドルのセリフのように「勉強して科挙に受かれば」「両班になれる」という、非常にアバウトなものになってしまうのだ。が、逆に「勉強して科挙に受かれば」「両班になれる」という考え方が、韓国の人たちの「強い上昇志向」を生み出したのも確かなこと。科挙(いわば、国家公務員試験)は、原理的にはどんな人でも受けることができ、勉強して合格さえすれば、中央官僚になり国家を運営する支配階級になれ得る。が、制度的・現実的には、すべての人が科挙を受けることができるわけではなかった。庶子(シフがそうですね)・重罪人の子孫(ヨンがギョムであるとばれればそうなります)・女性などが、科挙を受ける資格を与えられなかったという。また、科挙に受かったところで、実際には一族に官僚を出している家の子息にしか官僚の座は与えられず、ほとんど世襲化していたようだ。受かったとしても、身分の低い家の子は下級役人が関の山(ヨンもセドルにそう言ってますね)。また、勉強しなくては科挙には受からず、学問を受けるにはお金がかかるというのは、今も昔も変わらない。学堂に通えるのは、両班の息子達のみで、身分の低い家の息子は通うこともできないのが現実だった。身分差別もあったから、ヨンはセドルの命令で「両班だと身分を偽って」学堂に無理矢理通わせられるのである。が、もちろん、両班の出身でないことはバレバレなわけで、シワンからイジメを受けるのである。
ではなぜ、シワンは身分の低いチャドルやヨンをいじめるのか? これは前述のように身分差別が色濃くあったから。イジメとは差別であり、差別意識があるからイジメが起きる。これは今の時代でも同じである。で、この身分差別は職業差別、と言い換えてもいい。両班とはホワイトカラー、つまり知識・学識を職業にする人たちで、身分の低い人とはブルーカラー、肉体労働者を言うわけだ。イルジメ=庶民が、一部の腐敗両班=ダメ支配者を席巻・凌駕するというのは、言ってみればもうビートルズの世界ですね(違う?)。いつもいじめられているブルーカラーの俺たちだって、こんなにすごいのさ!すごくなれるのさ!それも剣じゃなくて、魂でさ!(すみません。飛躍しすぎました)。でも、それくらい、庶民にとっては、ホワイトカラー出身の英雄より、ブルーカラー出身の英雄のほうが、勇気と希望を与えられるものなのだ。なので、庶民がイルジメをどれだけ英雄視したか、というのはお分かり頂けるだろう。ウンチェはジョン・レノンに憧れる女子、みたいな感じなのだ(すみません。飛躍しすぎです…)
あれ? また両班から話が飛んでしまった。もう少し両班の話をしたいが、私も電車で家に帰りたいので(苦笑)、続きは次回。
アンニ・ヨン~!


2009-05-16 22:02:35
教えてヨン!両班社会ってどういうこと?その3
テーマ:イルジメ裏知識
皆さん、アンニ・ヨン・ハセヨン
「教えてヨン!」のコーナー、両班編、前回の続きになります。しつこいです。なぜなら、社会背景の理解は、ドラマ視聴の基本だからです! というか…名作と呼ばれるものは、時代や社会をきちんと映し出しているものなので、見ているとどうしても気になっちゃうからです。で、前回、ブルーカラーのヒーローとしてビートルズを例えに出しましたが、正直私もリアルタイムで体験したわけではないので、うまい例だったか分かりません。でも、それ以降で労働者階級から出てきたヒーローのすごい人がちょっと浮かばないのです。それくらいカリスマを持った、影響力のある英雄は、そうそう出てくるものではないのかもしれません。というわけで、イルジメの社会的な影響、少しは理解して頂けたでしょうか?

さて、前回、両班社会には「身分差別=職業差別」があった、と書きました。今回はここから、続けましょう。
では、この時代、具体的に身分はどのように階級分けされていたのか?
大まかに言って、身分の高い順に、両班→中人(チュンイン)→良民(ヤンミン)→賤民(チョンミン) という風に分かれていたようだ。両班は、いわば支配階級で、その頂点が「王族」である。イ・ウォノがここ。そして、その下が行政を行う高級官僚たち。現代で言えば、大統領・総理大臣・各官庁の大臣クラスといったところ、めっちゃ偉い人たちである。劇中で出てくるウォノの同志シム・ギウォンなどはこのクラスだ。ちなみに、この中でも、文官が上位、武官が下位に位置していたのだが、学識(脳みそ)を仕事にする人が上で、武術・技術(肉体)を仕事にする人が下に見るというのは、現代の韓国社会にも脈々と続いている。なので、財務や法務組織の役人より、警察組織、兵務組織の役人は下。ピョン・シクは兵務庁の役人なので、高級官僚とはいえ、その中では低めである。
で、会社と同じく、組織のトップの下には部長・課長・係長・平のように細かく階級があった。彼らは皆、科挙に受かった国家公務員である。そう、両班の最低条件は、科挙に合格しているということなのだ。

その下に「中人」がくるのだが、実は中人も官僚で、医術や翻訳、天文学など専門職・技術職に従事する人たちを指している。ちなみに、彼らの職業は世襲制。肉体労働もそうなのだが、韓国では技術屋さんなど専門技術職をどこか下に見る傾向があるらしく、医官の家に生まれたら医官になるしかなかった。「チャングム」などでも分かるように、医官の階級は決して高くなかったのだ。ちょっと横にそれた。

そして、中人の下が、良民である。これがいわゆる一般庶民を指し、農民や商人がこれに属する。この中での位は、上から順に、農民→商人→手工業者。よって、のちに錠前職人を始めるセドルやヨンの仲間で靴職人のフンギョンの身分は庶民の中でも低い位置にある。

その下が賤民で、これは法によって社会の外へ追いやられた身分の人たちを指す。いわば、社会の最下位層になるわけだが、ここに属するのは、占い師や大道芸人、妓生(キーセン)などで、さらにその中でも最も低い身分にあったのが農奴、奴碑である。つまり、占い師の父を持つポンスンや、大道芸人の父を持つデシクはここに属することになる。

で、謀反者の家族として官碑となったギョム(ヨン)の母親や姉は奴碑なので、両班から賎民に落とされたということになる。ちなみに、官碑とは宮廷で管理する奴碑である。
もう、すごい職業差別…。だから、チャドル(シフ)やヨンは両班の息子シワンから、「泥棒の息子のくせに」と言われていじめられるわけ。
でも、まぁ少なからず、今の時代もこういった職業差別意識は残っていて、たとえば子供達のイジメの原因には「おまえの父ちゃんの仕事は…」「お前の母ちゃんって、●●なんだって」という親の職業が関わったりしていて。そういう意味でも、このドラマで描かれていることは、現代社会の一面なのである。
さて、社会構造は大体おわかり頂けただろうか? 分かったところで、もう少し突っ込んで解説すると、ギョム少年の父親イ・ウォノは隠れた王族である。ものすごいトップ階級の人なわけだ。で、通常、王族は政界の中心にいるものだが、権力闘争を嫌ったウォノは官職に就くことを避け、隠居生活を送っている。韓国の人々が理想とする「両班」とは、まさにウォノのような生き方をする人のことで、「儒学を身につけ、卑しいことは決してせず、何事にも堂々とこせこせすることなく振る舞う」人である。セリフにやたらと出てくる「高貴な人」の代表格がウォノなのだ。で、彼を殺した男が「弟」と呼んでいたように、王族である「兄」にウォノは殺されたのである。「兄」の正体は第7話に明らかになるのだが、この時代、王族では権力を巡る骨肉の争いなど、日常茶飯だった。仁祖の治世下にあったが、この仁祖こそ、叔父をクーデターで倒して王になった人。つまり、親兄弟はもちろん、甥にさえ殺される可能性を常に抱えて生きるのが、この時代の王だったのだ。このあたりのことも、頭に入れておいてほしい。

で、「イルジメ」というドラマが心惹くのは、なんといっても「ヨン」という主人公の魅力が大きいのだが、ヨンの背景には実は高貴な両班(しかも王族)の血が流れているというのがポイントだろう。にもかかわらず底辺で生きるという悲しみを背負いながらも、その苦悩を隠し明るく振る舞っている。だから、余計に切なく、胸に痛く響く。で、父の復讐を誓った彼は、自らの身分を奪回することより(これだけ高貴な身分なら取り戻したいと思うはず)、庶民の英雄として生きることを大事にした点が、個人的にはグッとくる点である。このあたりはまた、物語の後半で解説するとして。
ここまでで、もう長いっ!一度、区切ります。

ではでは、次回までアンニ・ヨン!(「両班」の次は、「記憶喪失」をやりたいんですがね…終わりませんね…)

2009-05-18 23:16:40
教えてヨン!両班社会ってどんなこと?締めの巻
テーマ:イルジメ裏知識
皆さん、アンニ・ヨン・ハセヨン

両班とは何ぞや? 4回目を迎えておりますが、少し整理しましょう。
朝鮮時代においては、科挙に合格して官僚となった人々など支配階級を指し、身分階級で最も高い地位にあったのが「両班」です。で、両班の生き方とは、日々学問にいそしみ、肉体労働など卑しいことをすることなく、また俗世に汚れることなく「高貴」に生きることであり、韓国人にとっての理想、憧れでした。
ここまではOKですよね?

セドルは2人の息子ヨンとチャドル(シフ)のことを、「可哀想な子だ」と口癖のように繰り返しているが、その心は? この思いこそがセドルの息子達への深い情愛に繋がるのだが、その裏には、両班イ・ウォノの高貴な血が流れているにも関わらず、自分のような卑しい身分の息子として生きることになった2人への申し訳なさ、不憫さが胸一杯にあるのである。だから、どうにか学堂に通わせ、科挙に合格させて、元の身分である両班に戻してやりたいと強く望んでいるのである。それくらい、両班とは「人間として素晴らしい」ものという認識があったのだろう。

が、現実はそう簡単なものではない。高級官僚はほとんど世襲のようなものだったらしく、大臣の息子が大臣になる、といった2世3世官僚がごろごろしていたわけである。ピョン家のバカ息子(苦笑)シワンが能もないのに容易に出世できてしまうのは、そういう理由である。逆に言えば、卑しい家に生まれた人間は例え優秀で科挙に受かったとしても、高級官僚につくようなことは滅多になかった。「科挙、科挙」とうるさいセドルに、ヨンは「科挙に受かったとしても、下級役人がせいぜいで、低い身分の人間には出世なんて知れている」といったようなセリフをはくが、それが現実だったのだ。

セドルやタンら、庶民が渇望する「両班」という素晴らしい身分…だが残念ながら「両班」に属する人々の皆が皆、ウォノのように「高貴」な生き方をしていたわけでなく、例えば、ピョン・シクのように権力と富にまみれ、身分の低い人々から搾取するような両班も多かった。また、そういう権力者たちが政治を腐敗させていたのである。
さらに、ウォノのように高潔な人間でも、庶民の真実を知り、その心を理解し、守ってやることは難しかった。愛するタンを守れなかったわけだし、身分の違いを乗り越えるのは、物理的にも精神的にも簡単なことではなかったのである。だからこそ、庶民の心を知るイルジメが、多くの人々から支持されたのだ。

ちなみに、この時代、漢陽(今のソウル)では住む地域によって「両班」のタイプが大きく分かれていたようだ。王宮(景福宮)周辺で北岳山のふもとに位置する「北村(プクチョン)」に住む両班には、権力の中枢を握る官僚たちが多くいた。で、清渓川を挟んで王宮の南側、南山のふもと「南村(ナムチョン)」には、権力と富を排除し、体制両班を批判する「高貴」な両班たちや貧しき知識人達が集まり住んでいた。おそらく、ピョン・シクが住んでいたのは「北村」周辺で、イルジメが狙ったのはこの地域の両班達の屋敷だろう。ウォノの家、つまりギョム(ヨン)の生家は「南村」周辺であった可能性が高い。セドルやヨンが暮らす「南門市場」も調べたのだが、正確な場所は分からず…。が、名称からいって、漢陽の南の地域であったと推理され、セドル一家が住む場所とヨンの生家はそう遠くない距離だったのではないかと思われる。
タンとウォノが別れて10年もの間、非常に近い場所で住んでいながら会うことがなかったのが不思議だが、それは「両班」と「庶民」の生活はそれくらい接点がないものだったということなのだろう。

で、悪者のように思われがちなピョン・シク、シワン父子だが、話がすすむにつれ、彼らもただの悪者ではなく、むしろ哀れな存在であることが分かってくる。「両班」ではあるが、科挙に正当な手段で受かったわけではない無能なこの父子は、高貴な両班たちの中で「無能」コンプレックスを持って生きている。自分の無能を知り、両班社会の中でバカにされて生きる彼らは、そのはけ口を自分より身分の低い民に向けるのである。悲しいねぇ。


また、能力がありながらも、庶子であるため(しかも母親は賤民)正当な「両班」と認められず、両班社会の中で見下げられるシフも、「庶子」コンプレックスでゆがんで育ってしまうのだ。庶子とは、私生児、正妻以外の子供のことである。
と、ここまででなんとなく、両班社会について分かって頂けただろうか? お堅い話ばかりしてしまったが、今後も「両班」という言葉は、セリフの端々に出てくると思うので、今まで解説したようなことをイメージしつつ、見進めて頂きたい。

それにしても、高貴な両班の血を引きながら、庶民の中で育ったヨン。彼の魅力は、この二面を持っていることだろう。ウォノの血を引いた高潔な正義感、セドルから受け継いだ庶民のたくましさと深い情…残酷で悲しい運命を生きながらも、ねじ曲がることなく、明るく伸びやかに育ったヨン。それはなぜか? ということについては、また次回。

では、今日はこの辺で、アンニ・ヨン~!


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