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李朝時代の文化を担ったのは、文武の両方の役割を司ることから『両班(リャンバン)』、と呼ばれる貴族兼高級官僚達でした。
両班の住まいは、儒教の思想に基づき、男の部屋と女の部屋が明確に分けられています。また男女の別だけでなく、位の上下も明確に区別され、位が違えば血縁でも食事を一緒にとらないほど厳格に儒教の教えが守られていたそうです。
舘の主の部屋はサランバン(舎廊房)といい、主の居間、寝室であり、接客の場でもありました。
儒教の教えにのっとり、簡素でありながら精神性の高さが求められる空間であり、主の思想、好みが反映される調度品が置かれます。
李朝家具を代表する四方棚や書類箪笥は、主の注文に応じ特注で作られたもので、一つとして同じ物がありません。
主の好みが色濃く反映されているため、李朝家具は非常に多くの類型があるのです。
また、地域や時代でも特徴があります。
都(ソウル)のある京畿道の家具は、板も薄手で洗練された雅なデザインのものが、都から離れた地域では、重厚で大胆なデザインのものが多くあります。
1909年以降、日本の統治下で日本の役人や商人のために作られた家具もあります。
引戸や小引き出しがあり、どこか桐箪笥っぽい雰囲気のものは、日本人の求めに応じて作られたもののようです。厳密には李朝家具ではないのでしょうが、日本人好みで使い勝手も良いので、あまり気にしないほうがよいと思います。
男の家具は基本的に簡素でシンプルなのが特徴ですが、没個性的な実用一点張りの家具もあれば、品格のある風雅な家具も、また100年前に作られたとは思えないような非常に現代的な雰囲気の家具もあります。
自分好みの家具を見つけるというのも、李朝家具の楽しみ方の一つです。
(お断り:画像はパンガという李朝家具専門店のサイトに掲載されているものを使用させていただいております。)
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