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妓楼
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#06大正8年内藤新宿一丁目(妓楼).jpg:第11回「四ツ谷内藤新宿(秋86景)」
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2010年6月19日、新文芸坐「巨匠・溝口健二-受難を生きる悲劇の女たち-」にて。
1956年度作品。
脚本:成沢昌茂
音楽:黛敏郎
出演:京マチ子、若尾文子、木暮実千代、三益愛子、進藤英太郎、沢村貞子、浦辺粂子、三好栄子、十朱久雄、菅原謙二
国会に売春禁止法案が上程されていた頃、赤線地帯と呼ばれる区域にあった特殊飲食店“夢の里”の主人(進藤英太郎)は、法案が通過すれば売春婦は投獄されると言って女たちを驚かせる。一人息子のために働く女(三益愛子)、入獄中の父の保釈金のために働く女(若尾文子)、夫が失業しているので通い娼婦をする女(木暮実千代)、元黒人兵オンリーだった女たち。そんな吹きだまりの“夢の里”にある日、下働きの少女がやってくる。時が経ち法案が4度目の却下となった頃、少女はおそるおそる道往く客に声をかけるのだった。「浪華悲歌」や「祗園の姉妹」を手掛けた溝口健二が得意とする娼婦たちの世界。法案は映画の封切後同年5月に成立。その3ヵ月後の8月24日、溝口は骨髄白血症のため58歳の生涯を閉じた。(eiga.com解説より)
赤線地帯に集まってくる売春婦たちの人間模様。
何がしかの曰くつきのある過去を背負った女たちの生きざまが観ていて辛い。
女たちの性格づけがはっきりしていて、この当時の映画の作り方なのか、画一的な気がしないでもない。
それでも、溝口監督の売春婦たちへ向ける眼差しはあたたかい。
売春宿の主(進藤英太郎)が、店の女たちに「お前たちのことは俺が一番大事にしているから」と言う狸オヤジ風のセリフよりも、女たちが貧しいため意地のように生きてやると言うことや、一人息子に捨てられ病気になってしまうことなどのシーンを観て、溝口監督の女たちへの愛情溢れる気持ちを感じることができる。
溝口作品のラストはいつも結論めいた終わり方が多いと思っていたが、この映画のラストの不安というか、怖さのような表現はいったい何だろうか。
下働きの少女の初出の日、柱の陰から手をおいでおいでしながら、「お客さん」と声をかけるシーンに不気味な黛敏郎の音楽がかぶさる。
売春禁止法案のなりゆきとあわせて、少女のこれからの不安な人生を、「おいでおいで」に暗示している。
クールな守銭奴若尾文子、パワフル京マチ子、生活臭漂う木暮実千代、白塗り三益愛子、それぞれ個性が強い。
溝口健二監督、ラストフィルム。
http://homepage2.nifty.com/goroukou/goroukou_suketti_2011_2.html
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